TSUTAYAでジャケ買いした1冊。
タイトルのまんま、ベンチャー社長(しかも若い)16人に、
起業のリアルを聞いた、対談集です。
LINE、スタートトゥデイ、ユーグレナ、フローレンス。
誰もが一度は聞いたことのある法人の代表は、
やっぱりスケールが大きいし、夢も果てしない。
でも、読み終わった後に、ふと思ったんです。
「あれ?16人中、女性が2人しかいない。」
たまたまなのか?それとも田原総一朗がおじさんだからか?
プレジデントの読者がおじさんだからか?
(私も読者だけど(笑)。)
女性のベンチャー社長がそもそも少ないからか?
男女問わず日本を代表するベンチャー社長を探したら、
自然とこの比率になったというなら、
やっぱり女性の経営者が、
まだまだ日本では少ないんだろうと思います。
そうすると、女性だけを対象に起業家の講座を開くことにも
一定の合理性が生まれます。
もし、生まれ持った能力ではなく、
環境や制度が女性起業家の成長を阻んでいるのだとすれば、
それはなくしていかないといけない。
ただ、最近私はある「迷い」を感じています。
起業って言葉で一括りにしてしまっていいのかな?って。
女性起業家を志す人は、本当にいろいろです。
やりたい職種ももちろんですが、その事業規模というのでしょうか、
どの位のサイズでやりたいか?ということに大きな開きがある。
多分男性の起業希望者より、女性の起業希望者の方が、
その幅は大きいと思います。
私は以前、起業を志すある女性と話していて、
こんな質問をされました。
「ある人に、『起業をするのはとても大変なことで、
あなたのように雇ってくれるところがないなら自分でやろうなんて
そんな甘い考えで始めるもんじゃない』って言われました。
本当にそうでしょうか?私、甘いと思いますか?」
多分この女性が最初に相談した方は、
ご自身も起業の経験がおありで、
その時の苦労をよく知っていらっしゃるから、
彼女のためにそう言ってくださったんだろうと思います。
でも、彼女の言う「起業」と、相談した方の言う「起業」は
サイズ感に大きな違いがあると思うのです。
彼女の起業は、上記の本のような、やれ宇宙開発!だ、
やれミドリムシで飛行機を飛ばして地球環境をよくする!
だといった、スケールの大きいものじゃなくて、
自分の好きな仕事を、あくまで自分ひとりで
(誰かに雇われずに)やるという、
起業家と言うよりは、フリーで働く人、と言ったイメージ。
もちろん、どっちがいい悪いじゃなくて、
起業家講座を開く場合に、どちらの人にも同じ内容で
接していいんだろうか?という迷いが、私に生じているのです。
私の目標は、「女性の精神的・経済的自立」を応援すること。
会社の社長になって、会社を大きくして、どんどん儲けて、
税金をたくさん納めて、世の中の役に立つことも自立だし、
会社に雇われずにフリーで働いて、誰にも迷惑かけずに
自分の足で歩いていくことも自立。
ただ、両者に対するアプローチの仕方は、
全然違う気がするんですよね。
うまく言えないんですが、一緒ではいけない気がする。
今後日本はどんどん少子高齢化が進んで、
企業は今まで以上に個人の面倒をみられなくなります。
雇われるという従来の働き方でなく、
フリーで働くという働き方が、自ずと増えてくると思うんです。
フリーで働くことのリスクを知り、それにどう対処していくか、
それについて学べる講座があってもいいんじゃないか。
(日本ではフリーで働くことだって、とっても大変です。)
何だか考えがまとまらないのですが、
件の女性の質問に、うまく応えられなかった自分に、
歯がゆい思いがしているのは事実です。
もうちょっと自分自身咀嚼して、良く考えたいと思います。
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