どこまでも謙虚に

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昨日、NHKで放送されていた「プロフェッショナル仕事の流儀」。
日本で社会的意義のある事業を営む会社に投資する、
「鎌倉投信」のファンドマネージャー新井和宏さんが登場とあって、
期待して観ました。結果は期待を大きく上回るものでした。

番組HPはこちら↓

http://www.nhk.or.jp/professional/2015/0511/index.html

いろいろ心に残るフレーズがあったのですが、
特に印象に残ったのは、「どこまでも謙虚に」という言葉。
鎌倉投信は、投資家から集めた資金の一部で、
成長性が望め、かつ社会的意義のある会社に融資をしています。

ファンドというと、融資金をチラつかせて会社を牛耳り、
自分の思うままに会社の実権を乗っ取っていくという、
悪いイメージがありますが、(ドラマの観過ぎですかね?)
新井さんはとにかく「謙虚」。
融資先候補の社長さんに接するとき、
本当に腰が低いんです。

勝手な想像ですが、その謙虚さは新井さんのこれまでの人生で
培われたものだと思う。
彼は家が貧しく、苦労して信託銀行に入行すると、
努力に努力を重ねて、海外投資ファンドのチーフマネージャーに
転職します。そこで待っていたのは、まさにマネーゲーム。
高度な数式を駆使し、毎日何億、何兆ってお金を動かすんです。
ひょっとしたら、自分の意のままに世の中は動くと
過信していたかもしれません。

そんな彼を襲ったのが、ストレス性の全身疾患と米国同時多発テロ。
本当に勝手な想像ですが、彼はその時初めて、
「自分でコントロールできないことは、世の中に確実にある。」
という、一種諦めにも似た悟りを得たのではないでしょうか?

どんなに頑張っても、どんなに優秀でも、どんなにお金持ちでも、
自分の力でどうにもならないことは確実に存在します。
病気、天災、戦争、挙げればキリがありませんが、
これらのことは、もう努力してどうこうって問題じゃない。

矛盾するようだけれど、だからこそ、自分のコントロールできる
ことは精一杯やろう。「人事を尽くして天命を待つ」という心境が、
彼の「どこまでも謙虚に」という言葉を生んだと思うのです。
自力ではどうにもならない壁にぶつかった時、
人は謙虚さを学ぶのではないでしょうか。



「金融」とは、資金の足りているところから足りないところへ
資金を融通することです。
フェアトレードにしても、林業にしても、国産綿花にこだわった
タオルづくりにしても、やっている仕事はいい仕事で、
世の中を良くするのに欠かせない会社なのに、
資金力が足りないばかりに、十分な設備投資ができないでいる。
もしくは運転資金が圧倒的に不足している。

投資家を集めて説明会を開き、その理念に賛同してくれた
方々から資金を募り、新井さんをはじめ鎌倉投信の
ファンドマネージャーたちの厳しい審査を経た有望な会社に
資金を融通していく。
「真の金融の姿とは?」というサブタイトルは、
とても考えさせるものでした。

日本でも銀行以外の貸し手として、将来こういう投資ファンドが
増えてくるのかもしれないし、増えてほしいと思いますね。

土曜日(金曜日の深夜)に再放送もあるようです。
興味のある方は、是非ご覧ください!







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