靴屋のバトラー

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先日、春物の靴を買いました。
ベージュのパンプス、春だからちょっとエナメル調もいいな、
と訪れた靴屋さん。初めて入るお店でした。

接客してくださったのは、ちょっと年配の男性。
若い女性が好んで履く靴、というイメージのお店だったので、
正直ちょっと意外でした。

ところが、いい意味で裏切られた!
この男性(仮に「バトラー」と呼ばせてください。)、
まず、「売ってやるぜ!」的な押し付けがましさが、一切ない。
迷える女性客の相談に乗ってくれる、優しいおじさま。
もちろん馴れ馴れしい態度も一切なし!
「誠実」が服を着て歩いてるかの如くなんです。
(じゃあ、「誠実」は裸なのか?というツッコミはご容赦ください。)

しかも、勧め方が先取りなんです。
他の女性の店員さんを見ていると、お客さんが興味を
示した靴をどんどん履かせてる。
それはそれでいいけれど、決定力に欠ける。
悪い言い方をすれば、お客さんに振り回されてる感じ。

一方、バトラーと言えば、私のニーズ(ベージュの春っぽいパンプス、
用途は仕事用)、服装、体格等から、新しい靴を提案してくださる。
その時のトークが、また論理的なんだ!
五足目くらいに持って来てくださったのは、
普段自分だったら絶対選ばないであろう、
ちょっと派手めなデザイン。

躊躇してたら、
「これはデザインの割りに履きやすくて疲れないんです。
うちの従業員も二人、この靴で仕事をしてますが、
疲れないって言ってますね。」
うーん、仕事で履くっていうイメージ湧いてきた。

極めつけは、
「お客様は今日黒のタイツでいらっしゃるので、
イメージ湧きにくいかもしれません。
(肌色ストッキングの店員さんを連れてきて)
いかがですか?これですとさほど派手ではございませんし、
足長効果もございます。
まあ、お客様の場合、そんな効果は無用かと存じますが。」

ノックアウトされました(笑)。後半はリップサービスとしても、
履いた時のイメージが、リアルに浮かんできたんです。
さすが、バトラー。あなた、すごいよ。
絶対この店のトップセールスだって。

前に何かで読んだんですが、セールスのコツは、
「8割はロジック。でも、ロジックだけで人は動かない。
お客様がその商品を買ってどうなるか、明確にイメージできた時、
商品は売れるんだ。」そうです。
お客様と一緒に夢が描けるか?って書いてあった気がします。

しかも、普段自分だったら絶対選ばないであろう靴を、
他者の目から選んで頂くと、自分では気付かなかった
意外な自分に出会えるかもしれません。

おかげで素敵な靴が買えたって満足感が、五割増でした。
早く暖かくなって、肌色ストッキングシーズンになりますように。

OK


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