あなたを忘れない

カテゴリー │日記

こんにちは。
浜松の社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー
小田切克子です。

がんで闘病されていた有名人の訃報に接する度、
「まだ人類はがんを完全に克服することが出来ない。」
ということを強く実感します。

もう20年近く前のこと。長年断絶していた父親が入院したと、
伯父を通じて連絡をもらい、病院に行った日のことを思い出しました。

170センチくらいの身長で、体重が37kg。
骨と皮だけになってしまった父親は、落ちくぼんだ眼を
ギョロッとこちらに向けて、
「ああ、かっちゃん。来たか。」と一言言ったきり、
また静かに目を閉じました。

素人目にも、普通の病気じゃないということが一目で分かる、
変わり果てた病床の父。

看護師さんたちにナースステーションに連れていかれ、
医師の前に座るとすぐ、こう告げられました。
「現在ステージ4です。もう手の施しようがありません。」
「あとどのくらいもちますか?」
「半年、もたないでしょう。」

その後もレントゲン写真を見せられ、いろいろ説明を受けたはず
なのですが、何一つ頭に入ってこない。
「ステージって何?手の施しようがないって、どういうこと?」
混乱した私は本屋に行き、がん関連の本を10冊ほど買い込んで
片っ端から読みました。
そして、先生の仰ることをようやく理解したのです。

もう治らないんだ、ということを、
そして今はただ、死を待つだけなのだ、いうことを。

あれから20年以上経っても、がんはまだ完全には
治る病気になっていません。
検診の精度が上がり、早期に発見すれば治るものも
もちろん多いけれど、進行が恐ろしく早かったり、
そもそも発見しづらいがんもあって、見つけたときには
私の父のように、手遅れな場合もあります。

亡くなられた女性は、自身の闘病生活をブログに綴り、
同じ病気で苦しむ人たちに勇気を与えていたといいます。
亡くなられたことで、ショックを受ける方も多いでしょうが、
これを機に、「将来はがんを治す医者になろう」とか、
「がんの特効薬を開発する研究者になろう」という人も
きっとたくさん現れるはず。

今まで数多くの病を克服してきた人類ですから、
そう遠くない将来、がんが予防できる時代になるかもしれない。
私は医者や研究者にはならなかったけれど、
マネーセミナーの際には、最近のがん治療の傾向や
必要になるお金のことを必ず話していますし、
仲間の社労士は総合病院で、がん患者の皆さんに
障害年金の受給について説明する機会を設けています。

亡くなられた女性のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。
そして、一日も早く、がんが治る病気になりますように。



紫蘭(シラン)の花。
花言葉は、「あなたを忘れない」「変わらぬ愛」です。




同じカテゴリー(日記)の記事
プチ同窓会
プチ同窓会(2024-05-07 16:26)

ゼロ磁場の滝
ゼロ磁場の滝(2024-05-01 16:11)


 
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
あなたを忘れない
    コメント(0)