病人に 夾竹桃の 赤きこと

カテゴリー │家族の肖像日記

こんにちは(^O^)/
浜松の社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー小田切克子です!

のっけから恐縮ですが、今日は暗い話です。すみません。

先日、車でお客様のところへ書類を頂きに走った帰り道、
自衛隊基地の外周道路で、夾竹桃を見つけました。
ちょうど6月の今頃咲き出す常緑低木。
葉が竹に、花が桃に似ていることから、この名がついたそうです。

病人に 夾竹桃の 赤きこと

実は私は、この花が嫌いです。
私が15歳の時に亡くなった母を、一番思い出させる花だから。

私の実家には、当時夾竹桃が植えてありました。
でも手入れが悪かったからか、肥料が足りなかったからか、
何年も花を付けずにいたのです。
咲かないのが当たり前になっていましたから、
急に咲き出した時は、家族一同ビックリしたものです。

そう、この夾竹桃は、母の葬儀の時に突然満開になったのです。
もちろん、数日前から咲き出していたのでしょうが、
母は1週間弱、病院で生死の境をさまよっていましたから、
家族の誰も、玄関先のこの花の存在など忘れていたのです。

母の葬儀は6月末、ちょうど今日のような雨が降っていました。
自宅から出棺するその瞬間、
私は花を見て思わずゾッとしたのを、今でも覚えています。
まるで母の血を吸って咲いたような、真っ赤な花だったから…。

あれから私は夾竹桃を見るたびに、この記憶に苛まれます。
当時15歳の私には、何もしてあげることができなかった。
その後悔が、花を見るたびにこみ上げてくるのです。

以前にも書きましたが、母は経済的に自立できていなかったが故に、
短い人生を閉じました。まだ44歳という若さでした。
私が同じような人生を送らないことだけが、
唯一の親孝行だと思っています。

また同時に、同じような境遇の女性がいるのなら、一人でも多く救いたい。
救いたいだなんて、言い方がエラそうですが、
一人でも多くの女性が経済的自立を果たせるよう、
精いっぱい応援したい気持ちでいっぱいです。
そして、いつか夾竹桃を見ても、何も動じなくなる日まで、
私自身も強くなりたいと思います。

「病人に 夾竹桃の 赤きこと」 高浜虚子

6月25日は、亡き母の31回目の命日です。


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